破落戸雑記

無銘の破落戸が綴る雑記

PENTAXフィルムカメラ体験会に参加してきた。

12月上旬に参加したフィルムカメラ体験会の振り返り。当日はレンタルの645NⅡ/FA645 75mmに加えて、私物のK-3Ⅲ/FA28mmを持参しデジタル機で撮り歩きつつ、ここぞという場面でフィルム機と向き合う形にした。

貸出時にKodak GOLD200が一本付属するので、追加で買い足してたくさん撮ろうかとも考えたが、もしフィルムが余った場合の使い道に困るので取り止めた。なおフィルム不足が叫ばれるこの時期にブローニーのGOLD200はヨドバシで普通に在庫があり驚いた(11月下旬当時)

ところでメーカーが主催してフィルムカメラを貸し出すイベントにどんな思惑があるのかと思っていたら、「新規でフィルムカメラを開発する(検討に入った)」というリリースを出したのだから驚き。自分はモノ作りに関わる人に最大限の敬意を持っているつもりだし、ペンタックスのファンとしては新しいチャレンジは応援したいが、いちユーザーとしては冷めた心持ちでいるのが正直なところ。遅々として進まない製品開発、展望の感じられない後継機などなど、の話は置いておいて。

pentaxofficial.com

www.ricoh-imaging.co.jp

当日は昼過ぎに雲が抜け午後いっぱい晴れ、予報通りだったものの四谷へ向かう途中はドン曇りでヒヤヒヤした。レンタル時間は4時間、微妙な長さなので新宿界隈をブラつくことに。基本は付近を流れる紅葉川を遡上する方向に進み、その後はアドリブ。川、と言っても水が流れている訳でも分かり易い暗渠道でもない。少々盛り上がりには欠けるが、地形の高低差はあるので小まめに行き来して視点のマンネリ化を防ぐよう心掛けた。中判で撮ったカットはたった15枚、目立った失敗も無いので全て載せる。その前後にK-3Ⅲのカットを組み写真にして載せていく。

この辺りは高校受験で何度か来た場所で思い出深い。(盛大に落ちた) 奇しくも紅葉川の支流の一つが近くから端を発するので向かった。地形や街路のアウトラインから川の名残は辛うじて感じられるが限りなく薄い。

行程の後半は陽が傾き、高い建物の間を歩く間はなかなか箸が進まず厳しかった。四ツ谷の駅前まで出ると視界も開け、斜陽も効いてくる。むしろもう少し残弾を残しておけば、と思ったほど。K-3Ⅲで撮り進めながら、残り数枚をどう使うかを悩む。結果として「ここぞ」という場面は遠景が多かった。

最後はクラブハウス向かいのコモレ四谷から。市ヶ谷の電波塔に始まり、終わる半日だった。何よりの感想として645NⅡとFA645 75mmはとてもいい機材だった。ピントリングのトルク感、グリップの握りの深さ、広大なファインダー、これらの素晴らしさは特に印象深い。最初こそ手ブレを恐れて戦々恐々とシャッターを切っていたけど、徐々にマジメに一枚を撮るマインドに変化していき幸いにも露骨なミスカットが無かったのは嬉しい。なかなか触れることのできない機材なので、短時間ではあるもののこうして扱うことができて良かった。どうしても機材厨のきらいがある自分なので「中判欲しい...」なんて血迷う一面もあるけれど、どうにか写欲に転換して手持ちのカメラを愛で、日々持ち出し撮ることで解消できるよう心掛けたい。

”Fuji Feather”③ 〜650B化について〜

こんにちは。

不定期で投稿しているFeatherについて、一年ほど前にインチダウンして650B化した件でTwitterからの問い合わせがあったり、個人的にも気に入っているカスタムなので同志が増えるきっかけになるよう改めて纏めておこうと思う。

Featherを見つめる中の人。
「本気(マジ)でカッコいいな」と見惚れている。

はじめに

今でこそ柳サイクル・パスハンターをはじめ、All terrainを走破可能な車体が手元にあり贅沢にも使い分けができているけど、Feather一台体制の時代はその一台で何でもやろうとしてた。当時自分が向かう方向としてはタイヤを太くしたい…が、キャリパーブレーキの700C車体は28Cが限度、32Cを入れられないか?を調べたり車体と睨めっこしていたほど。その延長線上にインチダウンという選択肢はあるものの、結局は現物合わせになってしまうので、最低でもリムとそれに準ずるブレーキキャリパーを用意できない状況では実現性は低かった。そんな中、友人がまさに650B化したFeatherを運用し始め、色々ヒアリングしたり実車を確認した結果、全く問題ないことが判明したので無事導入する事ができた。

その友人とサイクリングに出掛けた時の様子。
(たぶん)世界でたった二台のFeather 650Bが揃い踏み。

厳密な比較ではないものの、全体感を伝える為の比較画像を添付しておく。ここ一年強の間でインチダウン関連以外の走行に関わるパーツ変更はとても少なく、多少の融通の為のサドル・ペダル交換とハンドル周りの位置微調整のみ。それだけインチダウンによって成熟した、自身の最適解に辿り着いたのだと受け取ってほしい。

700C→650B プロポーション比較

前置きは程々にして、まずは手放しにおススメできない要素があるのでその説明から。大きく二つに分けて、ホイールの調達に対するハードルとタイヤの入手性。

ホイールに関して

自分の場合は行きつけのショップに適合するリムの在庫があったのでハブだけ持ち込んで施工を依頼した。「650B・リムブレーキ・シングルスピード」の完組みホイールは恐らく世に出回っておらず、手組みのスキルがあるか、依頼できるショップが身近にあるか、というのが導入の第一関門になる。施工について詳しくはショップブログに記録が残っているので併せてぜひ!

yanagicycle.blog.fc2.com

タイヤの入手性

リム自体の選択肢も数えるほどで、入手性も不安定。ただしリムは大事に扱えば長い期間使う事ができる。ここで、二つ目のタイヤの入手性が少し心配という話。ひと口に650Bと言ってもロードプラス系などのメジャーどころが使えるワケではなく観測範囲でクリアランスが確保できるのは38B/1.50というマイナーな番手だけになってしまう。大抵の銘柄は次点が42B/1.75で、これすら少数派だけど太過ぎて入らないはず(未検証)この領域のタイヤのターゲット層は古い車体を継続使用している人のはずで、稀にRiv.とかで履かせているのを見かけるかな程度に現行の車種ではなかなか採用されていない。売れない・流行ってないタイヤは廃盤になる可能性がとても高い。タイヤは生モノなので今は良くても長期的に運用できる補償がない。これに関しては26インチで散々ひもじい経験をしているので強調させてほしい。

雑にまとめると、700C→650Bのインチダウンではあるけど今風のディスク車のような手軽なニュアンスではなく、構成パーツや消耗品の入手性・将来性に不安材料がある。また調達できるものはそれなりに上等なものばかりで手軽な導入とはいかず、更に完成車価格を思い返すとより腰が重くなる、という感じ。

都内で暗渠散策を楽しんだ時の一枚。

雑感

ネガティブと注意喚起半々な内容を書き連ねたので気を取り直して「650B化はいいゾ!」な内容で盛り上げていこう。調達性に難ありとは書いたものの、現状ボチボチ手に入るものばかりなので導入するなら今が最適。自分にとってFeatherは数年間変わらず一軍の車体だけど、ステップアップの過程で乗らなくなり物置の肥やしになっている、なんて事も多いはずでそんな人に今のライフスタイルや価値観で再生させてほしいなと思ったりする。「Featherなんて…と思っていたけど、印象変わった」と話をされた事もある。中古市場がどうなっているか調べていないけど、これきっかけで車体を入手するのもありなのでは。フレーム自体の値は張らないと思うので、ホイールセットから完成車が生えたと思えばお得かも。もちろんFeatherは現行モデルなので新車から特大カスタムを施すのも大いにアリ、漢だね。2023年モデルだとトランクイルブルーとサーモンピンクなんか素敵。

www.fujibikes.jp

"Panaracer/PACENTI" PARI-MOTO 27.5×1.50

インチダウンの一番の恩恵としては、取り回しが良く漕ぎ出しが軽いこと。この「取り回し」というのは主観に因るものが大きいのだけど、車体全長や地上高が一回りコンパクトになった事で、大振りな乗り味や腰高感が軽減されたのだと思う。ここで心配なのが「クランクを地面に擦る」といった破綻だけど、一般的な乗車スキルの範疇では起きていない。「漕ぎ出し」に関しては、タイヤ周長の変化で実質的なギア比も変わるので明確。700C時から丁数を変えていないので巡航は劣るものの、普段26インチも扱う身としては全く苦にならない。むしろ初速の小気味よさなども鑑みるとゴー・ストップが多い街乗りでは丁度いい落とし所だと捉えている。38Bのスリックタイヤはエアボリュームの恩恵を受けつつも気怠さを感じない。固定ギアだとある程度の足合わせや抜重は気を遣う要素の一つだけど、その辺をタイヤに任せた雑な乗り方をしてもリム打ちの心配がないのも良い。ベースはグラベルキングなので、オンロードに加えて多少のフラットダートなども守備範囲内に入れつつ気楽に駆け回っている。クリアランスについて軽く触れておくと、フロントはフォーク肩下、左右幅ともに全く問題なし。リアはチェーン長に依存するので何とも確実なことを言えないけど、チェーンステー部分の奥行きは問題なし。左右幅はステー潰しの後端とタイヤ幅がビタ気味ではあるものの実走行には影響ない。エンドの目視基準でほぼ中央だけどもう少し詰めたほうが余裕が出そう。ブレーキアーチ側も問題なし。リムやタイヤの組み合わせでも変わるので、基本的に現物合わせのつもりで読み流してほしい。

GrandBois PAPILLON 650B 36H

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パピヨンを選んだのは36Hのハブを使う為の消去法、一択だった。TLR非対応でブレーキ面の切削も無い、見た目だけのリムと割り切っていたし、実際、使い始めは膜が張られたようなヌルいブレーキフィーリングだった。ところがある程度アタリが出て来るとキャリパーブレーキとしてはまずまずの効き具合。一般的にロングアーチは制動力が劣るはずだけど、そのマイナスも感じない。感覚的だけどシューはシマノ等のロード向けカートリッジ系に換装するより、純正のボテっとしたやつを使い続ける方が良いんじゃないかと思ってる。

そして、冷静な視点を向けるとリム自体の造り、剛性感も十分でおよそ自分が使い切れる製品ではないなと考えを改めた。一年強使っているけど、振れ取りの必要性は全く感じない。とても良いリムだと思う。購入前にオフィシャルサイトは見たはずだけど全く信用していなかった自分を反省。サイトの説明文から引用↓

ダブルウォール+ダブルアイレットで極めて剛性が高く、舗装路、ダート、キャンピング等どんなシーンにもお使いいただけるオールマイティーなポリッシュリムです。

cyclesgrandbois.com

まとめ

Featherという自転車はピストバイク入門として安価な完成車だけに、何かとんでもない事が出来るような車体ではないけど、無難に丈夫で普遍的な規格を持っている。そこに"インチダウン"という要素を落とし込んでみると、軽快さを残しつつも肩肘張らないで済むいい自転車に仕上がった。ちょうど先日のサイクリングに出掛けた時の装いや遊び方が、自分にとって上手いことハマり、この自転車の使い方として一つの解が見つかる瞬間でもあった。また大きな発見があるまでは、この形で乗り込んで成熟させていきたいと思っている。

"Fuji Feather 650B"

 

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初めてのキャンプツーリングと「集い」の話

旅の思い出

12月のとある週末に、初めてのキャンプツーリングに出掛けてきた。「自転車でキャンプがしたい」と思い始めて数年、機会を逃し続けていたがまさかこんな時期に初陣を迎えるとは思わなかった。というのも、その主目的は「きゃんつー集い」という集まりに参加する為。この集まりもまた、2年程前に認知してから憧れていた。リンクは去年の集まりの報告記、主催の醍醐漫氏によるもの。

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時期や装備の重量、日頃の運動不足を鑑み自走区間はほぼ最短になるように輪行をフル活用した。目的地は富士山麓のキャンプ場、駅から県道で一本のルートはもちろん除外。ナビに適当な徒歩ルートを引かせたところ上手いこと主要幹線を回避していたので採用した。

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商店街での小休憩を経て一本裏へ、比較的密集した住宅街が続く。住宅地の気配は一見、東京郊外と大して変わらないが、視界の端に居座る富士や緩い登りの連続に山麓であることを実感する。また用水路というか下水の配置が自分の馴染みのあるパターンと違い、家々の間を縫うようなルートと相まって個人の敷地に入り込むような錯覚に陥るのが新鮮だった。

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次第に民家の間隔が広がり、畑や雑木林が増えてきた。途中、通行止めに遭遇し警備員に迂回路を訊ね軽い世間話を交わす。向こうにその意図は無いだろうけど、勧められた道も心地好い景色だった。便利で偉大なナビの悪い部分は、起動した瞬間に主体性が失われることだと思う。もちろん今回はそれを承知で活用していたわけだけど、通行止めのような要素が入り込むことで咄嗟のアドリブを求められたのは良い刺激になった。

途中、自動車専用道路と立体交差する箇所があった。車に乗っている側からはよく目にするものの一瞬で通り過ぎてしまうし、わざわざ使うこともないローカルの道。「最短徒歩ルート」という市街地でしか使わないようなナビを充てがったが為の偶然だろうけど、自分の力で走り抜けるのは何とも気分が良い。他に通る人が少ないのかそれ以上に落葉が多いのか、枯れ葉の絨毯が厚い。左右の草木の背も高く見通しが悪いので熊鈴やベルを無駄に鳴らしながら陽気に進む。最後のアプローチは一本道で分かり易いが、買い出しや温泉に行くにも距離と地味な標高差が立ちはだかり、当初軽い気持ちで計画していた散策欲をへし折られた。買い出しも最短のコンビニで済ませた結果かなりひもじい(自分比)献立になってしまった。事前に調べていた良さげなダートに行けなかったのも悔やまれる。

予定時刻から少し早めに到着、チェックインし体が冷える前に荷解きを。まずヘリノックスを組み立て荷物置きに、そしてテント設営、シュラフ干しの順が自分のルーティンになりつつある。集まりの前泊日なので仲間は誰も居ない。平日で他の利用者の気配もない。寒さと気疲れもあって早めにシュラフに包まり暫くラジオなどを聴いてゆったり過ごした。

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翌朝は盛大かつ意図的に寝坊、撤収の心配がない朝を迎えられるのは連泊の醍醐味だと思う。この辺りは人によって感覚が異なるようで、自分のようなオートキャンプ出身の人間にとっては滞在型が性に合っている。当日は朝からグループチャットが盛り上がり、各々がそれぞれのルートで目的地を目指してツーリングを楽しむ様子が伝わってくる。一方、自分はキャンプサイトでひたすら呆けていた。

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夜に向けて火起こしに勤しむ。この日の目立ったタスクは薪の仕分けと、この火起こしのみ。持参した小型の焚き火台で無理やり薪を焼き少しずつ火を大きくしていく。少々不便ではあったものの最終的には別の焚き火台に薪を移し軽い調理ができる程までに育ったことが誇らしい。そして次第に集まり出す仲間との話が弾む。より大きな焚き火も増え、盛り上がりが増す。結果的に薪が無くなり火が消える頃までの半日、誰かしらと会話を続けていた気がする。前日のように静まり返った独りも自分にとっては欠かせない要素だけど、それとは別にみんなでワイワイ火を囲むのはとても楽しかった。

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翌朝は撤収と撮影、自分も真面目に撮影しておけば良かったなと反省。チェックアウト後は、復路の輪行に不安があったので早々に離脱。おかげで目立った混雑と被る事なく日没前に帰宅できた。

今回の積載について。

記念すべき第一回目、と言ってもワンデイのお出掛けやそれ以外の日常と境なく繋がっているので新鮮味は無い。車体は柳サイクル パスハンター、この車体もまた元を辿れば「集い」を認知し、光栄にもその中の人たちと知り合わなければ巡り会わなかったはず。不思議な縁だと思う。

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話を戻して。先日の改修にて、フォーク左右にダボを増設。バッグ類を圧迫していた飲み水がボトルケージに収まり前三角をフル活用できるようになった(前三角にダボ穴は無い)とはいえ車体側は工具や輪行関係、携行品と遠征サイクリングの必携装備が大半を占め、キャンプ関係のものはテントポールをトップチューブ下に忍ばせた程度。主たるキャンプ装備などは30Lクラスのバックパックに詰めた。当初は背負わない装備縛りを目指したが断念。ドカ積みも考えたが固定と操舵に不安があったので素直に背負うことにした。その分空いたフロントバスケットへは撮影機材など嵩張るもの、取り出す頻度が高く車体を離れる際に持ち歩きたい貴重品を纏めた。日中は脱いだウェアのやり場としても大変重宝する。輪行については下記のツイートを参照。

ハードモードの初回だったにしてはどうにか成り立っているが季節と装備量の関係が上手く噛み合った結果だと思う。装備を割り切れる時期であれば削れる要素は沢山あるし、そもそも暑い季節にフルサイズのバックパックを背負って走るなど考えられない。

最後に

今回は無理なく集まりに参加することを主目的として旅程を組んだけど、本来はこの予定を一手段として自身のツーリングを展開したいところ。生活圏から旅先へと強固な繋がりを感じられるフル自走は一つの理想として、土地の文化や地形との関わり、はたまた単純にダートが楽しいみたいなグルーヴ感だけでも良い、旅に繰り出す時は情緒を持ち合わせていたいと思う。

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”OMM LITE&BIKE HAKUBA/OTARI 2021”参戦記!#2

 

こんにちは。このブログはOMM BIKE参戦記の実質的な後編。前編は自分のバイト先のサイトにて、ちょっとだけマジメに書いてある。リンク貼っておくので良ければ

2ndgear.jp 

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この記事は主に自転車に関して、バ先のブログに書き連ねるには忍びない趣味性の高い内容(つまり平常運転)のつもりでいる。前回の定例更新の後半で登場した”柳サイクル パスハンター”を駆っての参戦。当初はライザーバーを入れたMTBっぽいスタイルで乗っていて、そのままのつもりでいたのだけど、ふとした瞬間に「ドロップ化しよ」となってしまい、車体とともに預かっていたハンドル周りの交換キットを使い、更に色々パーツも換装したりアレやコレやと… 結果、めっちゃイイ自転車になってしまい、せっかく直前に換装したはずのFeatherともご無沙汰。ハンターはドロップハンドルで乗る事を前提に設計されたツーリング車でありカスタムした、というより本来の姿を取り戻したという方が正しい。

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さて、OMM “BIKE”で大事な要素が大きく分けて2つ。レギュレーションに定められた必携装備の積載とマップ/コンパスへのアクセス性。他の人たちの構成はラックレスの現代的なパッキングが多数。割り切り具合によってだったりU.L.製品を積極的に選べば、かなり嵩は減らせる。マップは自作のマウントでハンドル上に地図を展開していたり、バッグにしまっている人、バックパックの肩ベルトに挟むなど。あとは、ラックレスと言ったけどフロントキャリアに地図を直付けする人もチラホラ。地図自体はフニャフニャなままだったり、アクリルケースなどで板状にある程度硬さを保たせたり。今時一般的なことではなく既製品が無いことでDIY率も上がるし、それぞれのスタイルに沿った最適解が見受けられて興味深い。

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自分は箱型のオーセンティックなフロントバッグを主軸にしてみたところ、とても調子が良かった。GPSが無い時代にはトップフラップに地図を挟み、今よりよっぽど嵩張る荷物を持って旅をしていたと思う。ならば、洗練された当時のスタイルを踏襲するのが手っ取り早い。そんなランドナースタイル、観測する限りまさか自分と仲間内に一人しか居ないとは。結構良いよ… どちらにせよ地図読みはカーナビとは違うので、都度停車してその時にアクセス性と視認性が良いか、というのが大事。トップフラップに挟む都合上、マップは三つ折りにした。今回のようなエリア内を回るには充分。汗と汚れで手が触れる所はグチャグチャになるから、配給のチャック付き袋に入れて正解。左右のループにはそれぞれコンパスと熊鈴を。熊鈴はLITE部門のランナーに対して気付きベル的に付けたけど、そこまで混み合うような場所も少なくほぼ風鈴だった。後述のオンボード映像を観てもらうと涼しげに鳴ってると思う。

要素のもう片方、パッキング。

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『フロントバッグ』

・補給食(トレイルミックス)


シリアルやコーンフレーク、柿ピーを混ぜた物を準備していった。道中で寄った道の駅で乾物の売店からナッツやドライフルーツで構成する「ホンモノ」を手に入れられたのでテンションが上がった。行動中はほとんどコレを食べてて、事前に用意した羊羹やらエナジーバーは携行しなかった。

 

・財布その他常備品が集約したポーチ
・工具+チューブ
・雨具とシュラフカバーはひと纏めに。

 

 

使ったのは「ローバック アイゼンシュウノウケース」これがロールアップでも一つ折りでも、丁度良い具合で使いやすかった。名前の通りアイゼンを入れる為の製品だけど、スタッフサック/ドライバッグとしても優秀。…フラットバー上に直付けした様子↓

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内容物へのアクセス性は良くないので収納しっぱなしの物をメインに。ダートなどで受ける継続的な振動が固定力に影響しないのも良い。贅沢を言えばカラバリは欲しいけど、バイクパッキングギアとしてそのまま売り出してくれればいいのに。難しい作りではないので、生地入手して一つ生贄に自作もアリかも。とはいえ石井スポーツさん、ぜひぜひ!車体との固定にはVoileストラップを好んで使っているけど、構造上爪が外れる可能性もあるから(実際に陥った事はない)バックル留めのナイロンベルトとかの方が安心かも、無段階に調整出来るし。

『ステムバッグ』・水500ml ナルゲンボトル

『フレームバッグ(小)』
・補給食(ゼリー系、塩タブ)
・鍵+ホイッスル

『サドルバッグ(小)』・水1000ml

補給地点が多く満水を維持できたからか、走行に違和感は無し。フロントバッグにゆとりがなく適当に充てがったからパッキングとして機能的ではないけど、ドラゴンキャリアを装備した改8γがカッコイイのとメンタリティは同じ(よく分からん)でギアやメカは何かしらはみ出てるくらいが実用品としてリアルなのよ。

 

何だかよく分からなくなってきたけど気を取り直して。要たるハンドル周り。

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使っているのは、

・癖が強くも一部界隈では採用率が高い”Dixna Cross Bandy 31.8 (M)”
・V/ドロハンを共存させる救世主”Tektro RL520”

ポジションに依存する部分があるにせよ、自分の身体によく馴染む。特にブラケット、バンディの浅い下ハンとフレアに沿ってのフィット具合は唯一無二。主要メーカーの現行品をひとしきり触った結果も踏まえて、このレバーを使う為にVブレーキを使いたいし手元変速も諦められるなと思ってる。…今のところはそれくらいの執心っぷり。

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車体の感想となると「本当に良い自転車だなー」コレに尽きるし、実際色んな人が跨ってそう言うのだから間違いない。よく走るのに楽チン、乗っていてとても楽しい。跨り、手を添え、動力を伝える。Featherや一般的なロードバイクのそれとは似て非なるもの。自転車を趣味にしていて車体を比較できる人はもちろん、趣味人でない人が乗って馴染みの良さに驚く様子は、ツーリング車としての安定感や包容力に由来するのかなと解釈してみる。この車体を読み解く上で、オーナーであるダイゴマン氏が零すヒントやネット上に残る記録も大体さらってみて、改めて柳サイクルさんを訪れて詳しくお話しを伺いたい。これだけの長期間、実車に跨がれる事はとても貴重なので。

 そんな感じ。あとは最後にYouTubeのお知らせ。最近、Adobe CCとGo Proを立て続けに導入して動画関係の環境が豊かになったので、YouTubeにてオンボード映像を公開してる。イベントの様子を2本投稿してるのでそちらもぜひ。


www.youtube.com


www.youtube.com

大体書きたいことは書き終わったし、だいぶ日も空いてしまって「いつまで擦るん?」ってなりそうなのでさっさと投稿しちゃおう。おしまい!

破落戸と自転車 〜2021版〜

2022.11.12 追記。

650B化した直近の様子はコチラ。

kaede8264.hatenablog.com

以下本文。

 

先日、ハンドル周りの換装を終えて実質Ver.5.0になったし、暫く落ち着きそうなので更新。

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ハンドル周り、つまりハンドル、ステム、ブラケットレバー… マルっと入れ替えた。と言うのも、競輪ハンドルへの飽きと疲れ、ブレーキに対する不満(主にフィーリング)の蓄積や、それに先だって足回りの大幅なダウングレードを行なったのが原因。

まずSuperbePRO/RC-540コンビのホイールに想像以上に不満が多かった。リム幅が狭くタイヤが合わない様子。安定していた期間も長く26cなら大丈夫と思っていたけど、一時期バーストパンクを頻発させたりもした。ただし該当の同ロットと思われる前後セットがたまたま合わなかった可能性もあり、因果関係はだいぶ危ういので慎重に扱う。

次にCNC切削面のあるリムの方がいいよねーってなってしまったことと、それなりにすぐ振れてしまうこと。この二点はブレーキの効きとタッチに直接影響してくる要素。リム設計当時のブレーキキャリパー(と言うよりシュー)ならまだしも、剛性と精度が上がった現行規格との相性は悪くホイールが浮いてしまった。

ついでにリアハブ110mmについても。これに関してはスペーサーを噛まして問題なく運用できている、ように思えていたのだけど実の所、チェーンラインに僅かな難があり慢性的な異音の原因だった、と言うのがホイール入れ替え後に発覚。と、夢をギュギュッと詰めた筈がボロクソを書き連ねる結果になってしまったので、絶賛お蔵入り中。お金と時間、それに見合う乗車頻度が見込めたら再考しようと思う。

(現行規格の700c,36Hリム、A23以外でご存知の方は教えてください!)

そして、その代わりに導入したのは家に転がってたホイール一式、元はVivalo号が履いていたもの。内約としてはFORMULAの36Hハブ/メーカー不明のリム(ボチボチのリムハイト、そこそこの重さと硬さ、ブレーキ面切削アリ) と言う感じ。コグ・ロックリングもよく分からん。丁数は変わらず16T。シャフト周りの拭き掃除とリムテープ交換以外はノーメンテだけど、正直とても調子が良い。ダウングレードした筈なのに。

合わせるタイヤは”Panaracer Comfy 28c” まさかのカラータイヤは「あの頃」感を目指して思い付きと勢いで選んでみた。ちなみに、あの頃の自転車トレンドに自分は直に親しんでいない。ラインナップが28,32cで一昔前のクロスバイク向け想定ゆえに見逃しがちだけど、ヤスリ目パターンの中位グレードタイヤとしてはどノーマルでいい感じ。オススメ。

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続いてハンドル周り。内約は

・NITTO M106 NAS お友達からお借りしてる。

・UI-2 90mm Amazonで買った。箱可愛い。

SHIMANO BL-R400(たぶん) 関戸橋でナイトペダルなお友達から購入した。

(いつも、ありがとうございます。人の縁にはいつも助けられています。)

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ロードバイク界隈では一般的なアナトミックシャローを使ってみたくなったのが発端。Featherに求める要素が「ピストバイク」ではなくなった瞬間でもある。かといって、固定ギアは維持してる。街道練習機というかSSロードというか、ギア比を上げればクリテリウム仕様とも。最初は違和感が強かったけど、オンロードを流すにはとても練られている形だなと気に入っている。ステムはM106 NASが非オープンクランプとの相性が悪いのでUI-2に。折角オープンクランプなら気軽にハンドル替えたいので今のところバーテープは巻かず。ステムがクロモリだからどう、ってのは正直体感できてない。重量面では

「アルミステム+クロモリハンドル」

→「クロモリステム→アルミハンドル」

で大幅に軽くなったのでよし。ホイールが重くなった分と相殺して、重心が下がった事を考慮すればなお良し。

更にブレーキのフィーリング向上も必須事項だった。ホイール側は解決したけど、レバー側に難あり。これもまた、ブレーキキャリパーに対してヨシガイのレバーが浮いてる状況。キャリパーがその前提(というよりSTIしか眼中にない)で作られてるからレバー単体に戻しの機能があるものが欲しい。TRPとかDixna辺りかなーと見積もっていた直後に関戸橋。以下のツイートの通り(笑)

ちなみにシマノキャリパーブレーキでも世代によって引き代違い(互換)があるとか無いとか。Vブレーキでもないのに。一応調べたけどよく分からん、眠れない人にはおすすめの題材。あっという間に朝を迎えられるよ。どちらにせよ、R○000キャリパーに正式互換を謳う非STIレバーは無いと思われる。今のところ問題は感じていないし大丈夫そ?一年後には変わってるかも。上出しルーティーン分の長さと遊びが無くなったのと、シマノらしい質実剛健具合はなんだかんだ満足感に繋がってくる。ケーブル類は再々流用、フルアウターゆえ決して軽くはないけど、非常に滑らかで直感的。

「握ってみな、飛ぶぞ」

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ここ数年に及ぶ自己カスタムを全否定する結果になってしまったけど、その代わりに

「設計思想が合わないパーツの組み合わせは実用面で不満を持つ」

「自分は現行品を素直に使った方が幸せになれる」

と学べたので良かったと思う。

(cv.林原めぐみ)で再生しましょう。

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距離伸ばしたいなーとか輪行/宿(ヤド)泊を軸にしたファストツーリングもやりたいけど今は無理だねー 去年の今頃は「医療リソースを圧迫しない為に」派手な自転車の乗り方はしないようにしよう、だったけど、今年は下手したら助けてもらえなさそうな勢い。

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最近は近場でサクッと、体力と集中力が保つ美味しい遊び方を見つけ出したので専らそればっかり。この日は新しく仕入れたギアのお試しも兼ねて軽いピクニックライドだったけどいいメニューだった。これまたお借りしてる車体で、本来はよりシリアスな環境を走破できるポテンシャルを持った凄い自転車なんだけど普段は多摩川沿いのフラットダートなどを走るに留まってる。人や自転車で溢れる土手沿いと違って、稀にすれ違う人との距離感さえ気を遣えば、後ろ(から迫る速い自転車)を気にする必要もなく広々としたダブルトラック、本線を逸れたシングルトラックをほぼ独り占め。爽快で自由、最高。もはや多摩川に赴くのはメンタルヘルスケア目的と言ってもいい。

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脱線ついでに、もう一台。こちらはこの一年、殺伐した朝の都会の道を共に戦った同志。第一次宣言解除後、極力電車を使わない為に誂えたのが始まり。元々は家族共用のはずが、クセが強くて乗り辛かったのを少しずつ潰していきつつ、前カゴを付けて… とコミューター機として確立していった。ただしジオメトリーやギア比はロードバイクの血統が色濃く、よく走るし疲れないしで遠乗りにも連れ出したし、2020年度で一番乗った自転車と言えると思う。現在は大規模なオーバーホールとあわよくばカスタムの為に控えに回してる。古い個体だし大事に扱って末長く乗っていきたい。ちなみにポタリングがより楽しくなったのもこの自転車のおかげだと思う。この件に関しては、暗渠散策なども含めて別件で記事を書いているのだけど、なかなか筆が進まず2,3ヶ月経ってるから、どうにかして仕上げたいところ。(チラ見せ)

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年一更新からは少し遅れたけど、改訂2021版の自転車備忘録が書き切れたので満足、ではでは。

 

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"Fuji Feather" ② 〜改訂2020版〜

弱小サイトかつコンテンツ力の低さ、発信力の弱さなどの割に案外ジワジワと訪問者が絶えない弊ブログ。主に去年の自転車についてフォーカスした記事へのアクセスが集中していて、パーツの表記とかちゃんとやって良かったなと思っている。

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基本的には自分が文章を書くのが好きで投稿してるんだけど、アクセス解析とか案外確認しちゃってる。とはいえ、一年前の記事から改善したり変更点があったりで内容をアップデートしておくべきだなと感じ急遽更新を敢行。

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大きな変更点はホイール、チェーンリングの換装。まずはホイール。純国産で構成し、通称蓑虫偏人(実父)に依頼した手組み。自分で組めるようにしたいとは思いつつ未だ重い腰は上がらず。構成は下記の通り

・Araya RC-540

・Suntour SuperbePRO NJS 36H

(リア110mmエンドの為スペーサーで対応)

Hoshi SB #14

Dura-Ace NJS (コグ、ロックリング)

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ホイールのカスタムに関してもいろいろな考え方があるだろうけど、全体的には時代に逆行気味。今まで履いていたのは完成車セットのノーブランド品(何度か変遷はアリつつ)で、比較すると軽量化の恩恵もあり。ただ重量の変化と同時にリムハイトも低くなり、巡航時の「伸びていく感じ」とかはそれ相応に弱まってくる。その分、柔らかめのリムを36本のスポークでしっとり気味に編まれた感覚は、余裕を持った乗り心地で自分好み。あとは純粋に見た目が好き、それだけで所有欲というか満足度が高い。

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注意点としては設計も古く、リム幅はナロー気味で26cタイヤの実測が22mm弱という具合。28cも一度履かせた事があるけど、ベストなコンディションではない印象で25c前後に抑えるのが吉。

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ハブはメーカーご指名のサンツアー。ショップ主催のフリマで仕入れた物だけあって古い製品ながら状態も上々。カップ&コーンというのもあり、適切なメンテナンスを継続すれば永く使える。

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続いてチェーンリング、当初のギア比は50-16Tの3オーバー。別段拘ったという事ではなく先述のセットホイールと、クランクに付属していたチェーンリングの丁数の組み合わせ。比較的「重め」な設定を暫くの間は何の疑問も無く踏んできたのだけど、いよいよ膝に違和感を感じるようになってしまった。画像は限界まで汚くなった時のもの。ここまで放置すると、走りにもあまり良くない。

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どうせ軽くするなら振り切ろうと思ってPCD144で使える最小リングの44Tに決定。種類としてはMightyの系譜を継ぐと思われる”MC144” リングが小さい分見た目の主張は弱くなるけど、それまで使っていたDura-Aceの無機質なデザインから比べると肩の力が抜けていて気に入っている。

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走りに話を移すと、美味しいケイデンス域が巡航の速度と被り狙い通り膝の機嫌も回復、もちろん登りも楽になる。初速の軽さも好印象。ただしトップスピードの頭打ちは早く、固定ゆえ下りもヤバい()  その頭打ちを遅らせられるよう「綺麗に回して走る」方向にシフトさせていけるかが最近のライド中の課題。

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蛇足として、丁数とチェーンのコマが減る分、若干の軽量化もあり後ろ三角の鈍重具合が減った。ついでに、チェーンに関して。モノはIZUMIのJet Blackで18年の秋に導入してからそのまま。詰めたコマはストラップにしてて、それを触ってもスルスルのピカピカでいまいち替えるタイミングが掴めず。

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次は、一年前のカスタムから改善した点を幾つか。日々使う内に、使ったからこそ分かる事もあるし、素人の自分がやる事だから不完全な部分は多い。そういう要素を取り除くのも自分だし、考えるのが楽しかったりする。

 

キャリアのステーに関して。面倒臭さもあって若干長さが余っていたのを切断して最適化。脱着がスムーズになったし、作業は中途半端にしないほうがいいね。エンドアダプターの角度も無理させてたから改善。注意点は塗装を禿げさすからフォークの劣化は早まる。薄肉の軽量パイプなんかでやったら顰蹙モノ()

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キャリアの用途もフロントバッグ積載に限定せず、ポーターラック的にVoile StrapでU字ロックを固定してみたり、まあ色々やって楽しんでる。何より重要なのは、必要な荷物をどれだけ楽に持ち運べるかという事。

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更にステー部分はランプホルダーも兼ねている。...となると灯火類にも触れておきたい。フロント・リアともに2灯ずつ。ステーに取り付けているライトは固定位置をハブ軸よりまで下げ"照らす"事に重点を置いて、常時点灯。もう1灯はハンドルに。対人・車に存在をアピールするのを考えて点滅。2灯の分、光軸を下げられるから対向にも眩しくならないよう配慮できる。

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対自動車の事故って後続からの追突が多くて、それを防ぐ為にも個人的には尾灯はより大事だと思ってる。街灯や信号、電飾、他の車のテールランプなどに対して、自転車の小さいライトは簡単に紛れるから、常識の範囲内で充分な光量の点灯と不規則なパターンでの点滅は重要。

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実際、しっかりと存在感を持って走れば、周囲からの反応は良くなるのを実感している。後続の追い越しや対向からの右折とか悪意はなくても認識が甘いドライバーが多いわけで、そういうストレスが改善される。

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だいぶ話がずれたけど次はワイヤールーティンの見直し。ワイヤーの負荷が集中する両端の劣化を処理・始末してリセットしつつ、フィーリングをより長く持続させられるように角度・弛み・取り回しを改善。いざブレーキを掛けてみると、ついつい劣化に慣れてしまっていた事を実感。タイヤやブレーキシューに次いで、日頃から意識を向けるべき項目に追加。ワイヤー自体の交換は今のところ必要性は感じていなくて「ハンドルを替えたい」とか大掛かりなカスタム時に纏めてで良いかなーという印象。

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書いているうちに予定のものに加えて脱線しすぎてしまったけど、一通りの内容に触れられたと思う。今のFeatherは等身大に取り扱う道具として機能・見た目ともに満足のいく状態になっていて自分の身体と走りによく馴染んできている。

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後は日常の中で乗り込んで「エンジン」の性能を上げたいのだけど、今はそうもいかず半ば盆栽になりつつも“Stay Home”しているふとした瞬間、自転車を眺めて悦に入るのも、また一興という事で。

 

2021.5.12 追記。

 今回の内容を全否定しかねない、改訂2021版も併せてどうぞ。

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2022.11.12 追記。

650B化した直近の様子はコチラ。

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”東京”を廻る

春恒例、年一更新…

少なくともそれくらいの頻度で更新はしておこうとその内容についてあれやこれやと巡りつつ、先日の呟きから。

 

 

2018年の旅の記録(リンク)でも書き残していたけど「旅をする、冒険をする」という事において、「外」に繰り出す前に自分の足元すらロクに踏み固められていないなと感じることがしばしば。それは「自宅から半径1km圏内、いつも使う道の隣の路地」程度の狭さから、規模を広げれば「国内・国外」とも言える。その中間、自分の力だけで完結させられる「東京か、否か」に一旦落し所を見つけてようやっと今回のタイトル「”東京”を廻る」へと行き着く。読みは「マワル」というより「ミル」の方が感覚的に近い、とだけ。 

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まずは自分が生息する立地の整理から。雑にいくと「市部・東端」この絶妙な位置関係への移住が何より自転車を本格的に始めるキッカケであり、それまで住んでいた23区西端と比べて片道約10~15km、西側へのアプローチのハードルが下がるという気付きを得る。(逆に都心方面に間延びしているかと言えば主要幹線へのアクセスが良く、時間距離で考えると同程度という不思議) さて、大層な事を言ってるけど、とどのつまり「東京はいいゾ」っていう溜まりに溜まったライドの報告大会。

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自転車と河川敷の親和性は言わずもがな高く、どのライドでもなるべく河川敷沿いを軸にルートを組むようにしている。その中でも多摩川CRは我らがホームコースと言っても過言ではなく、一本目は、その終点である羽村取水堰の少し先”根がらみ前水田”にチューリップを見に行った時のもの。

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Twitter上でとあるフォロワーさんの投稿で知り、その週末には出かけるという自分の中ではかなり「フッ軽」な部類。時期としては、4月中旬で前回の記事にあるカスタム後で初の遠出となる。気温は個人的には「もう暑い」レベル。(後述の夏のライドに比べると可愛く感じる…)とはいえ世間的にはアクティビティ日和、休日の河川敷は活気があり、更には関戸橋・京王閣フリマが被るサイクリストも心なしか多い多摩川CR。そんなコースを軽快に遡上し、到着。大まかに関東平野の終点、もちろんこれといった”登り”はなし。山地の先端が多摩川を挟んで小高い山をつくり景色は上々。

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肝心のチューリップも満足の見ごたえ。純粋にチューリップを撮りに行きたいし、一部水が張ってあるのを活かして山並み辺りのリフレクションを狙うのも良さげ。自転車を押し歩く分外周を回るだけに留めたけど、内側に入って花に囲まれながら歩くのも楽しいだろうな~ 

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ところで、次のライドの話題に移る前にライド単体の所感を。フロントバッグには食料、おやつ、カメラ… サドル下にはジェットボイルとナルゲンボトル1Lを風呂敷で括った「重装備」での走行。これが思いの外、吉と出たのが驚き。というのも、比較的ガッチリ固めな(だと思ってる)味付けのFeatherが荷物の重さに影響されてしっとりとした乗り味に。もちろん初速の反応は鈍重、がチマチマ速度を上げ心地のいい回転まで持ち込み、後は固定ギアってのを活かして、回ってきたペダルに体重を乗せる。重い車体の慣性と相まって、その感覚は”自動運転”… というのは言い過ぎか。もちろん平地巡航に限っての話だけど、同じ河川敷沿いを走っていてもコレほどのシンクロ率になったのはこの一度きり。

 

二本目は趣旨からかなり外れるライド。ホームコースたる多摩川CR、正式名称「たまリバー50キロ(全長53km)」を一往復したら面白いんじゃね?総計100km超のライドとはどんなもんか、というなんとも短絡的なもの。それを8月上旬に…

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結論からいくと、とりあえず二回目は無い。早朝の涼しい時間帯に新規開拓の下流域を走ってる時は良かったのだけど、二子橋前後の未舗装区間で調子に乗ってグラベルをエンジョイしたのが早々に手首周りにダメージとなって戻ってきたり、沿岸の植物が熱風と湿度のせいで噎せ返るような匂いを放ってたり。とはいえ、最大の原因は補給に掛かるコストが高くて勿体無いってこと。水・ポカリ・塩タブだけで、美味しい外食が一食賄えるレベル。走ること自体は好きだけど、少なからずその途上や目的地に、景色や美味しい物、アクティビティを求めてるんだというのが実感できて、それは良かった。

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ちょうど、この文章を書いてるリアルタイムにTwitter上で「”ロングライド”と”自転車旅”は似て非なるもの」という話題が上がっていて腑に落ちる。自分はそれでいくと後者。次のライドでその片鱗を見る事が出来るけど、ただのライドじゃ満足しなくなっていく。

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そして、先の台風の影響で全線をシームレスにつなぐことが難しくなっているのも注意。上流域では、大小の迂回が三箇所程度。天災と言うものが直接的かつ長期に渡って影響していることを強く実感する。例えば日野橋みたいに進行形で作業が進められている場所もあり一日も早い復旧が望まれるけど、次シーズンの天候が前年比で悪化しないという確証は無い訳で、自然との継続かつ循環的な付き合い方とはどんなもんだろうか… とか、ライドの途中に取り留めの無い考えを巡らせたりしている。

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三本目は時期が一気に飛んで、つい先日の話。どんなライドをしようか、距離を絞って荷物詰め込んでデイキャン的なニュアンスもありかな~とか色々悩んだ末ふと2年ほど前に行った道の駅で食べたジェラートを思い出し、じゃあそこ行くかという感じ。

 

 

距離的には予想以上に近くて驚き。じゃあ少し遠回りもしようとなってルートを組んでいく。しかも、走るだけじゃ面白くないなと思い始める。では、順を追って… 多摩川CRを右岸側に渡って浅川に。桜も程よい感じに咲いていて、もう少し立ち止まればと後悔。途中道を見失って、川沿いを”担ぎ”でフラフラした末、用水路で踝高まで水に浸かるなど無駄にアドベンチャーな回り道をするなど。

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多摩川CR比で考えると走り辛さはあるものの、楽に流す分には十分に選択肢に入るなという印象。八王子方面にルートを開拓できたのも今後のライドに活きる。そして、南浅川へと分岐して途中から甲州街道を数キロ走って高尾山口。時短かつ未知数な試みのためリフトでワープし一号路で楽々登頂。青空にそびえる富士山を拝むことが出来て良かった。こんな感じの「Bike to Hike」もありだなと思い始める。ただし本気で実行するなら、ライドとハイク、どちらに装備のリソースを割くか、総合的なルートの詰め方とか色々課題はある。実際、今回もウエアはギリギリそれっぽいとして、スニーカー履きに適当な荷物をサコッシュに放り込んだだけの限りなく”山舐めてる人”寄りだったし。

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その後はサクッと下山。ちなみに、リフトは自分で乗っておきながら安全バーとかも無いし「かなり無理」だった。あと、途中で記念撮影されるのとかお独り野郎様にはキツいものがあるよ(笑) 次からは乗るとしたらケーブルカーにする、値段変わらないし。

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移動して、前から気になってた極楽湯に。何種類かあるんだけど、露天の一番景色が良い湯船がぬる湯ってのが最高。正直一日中入ってられる。駅直結で朝も8時から開いてる(大抵午後始まりよね)し、平日の朝イチなんかにボーッと特急乗って温泉入りに行くだけ、なんてのも贅沢だろうなーとか。

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脱線から戻って… 次のスポットは道の駅 八王子滝山、個人的には建物内のジェラート店とお惣菜屋さんを楽しみに。しかし、ジェラート店は定休… ガン萎えながらも、リベンジの余地が残ったのでまた来れる。お惣菜屋さんでは無事昼食を調達できた。バランス悪いな。まあ、そんなもんよね。お土産に地産メインでチョイスして野菜を調達。

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休憩も済ませ帰路に。谷地川を下り戻ろうとするも、走り辛さに離脱。16号経由でサクッと多摩川に合流し帰宅。次、道の駅メインに走りに来る時もこのルートが無難だなと覚書。ちなみに持ち帰ったお野菜は早速美味しく頂いた。

 

 

最後は、ライドというよりポタリングのニュアンス。そういう気分の時は、野川沿いをフラついてる。ちょうどこれからの時期は菜の花と桜を楽しむことができるし、その後の季節は緑を存分に浴びられる。

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野川公園、武蔵野公園辺りで留まって公園内の広場まで行くのもよし、川沿いに下りるもよし… そして、そんなポタリングには軽くお茶する道具を持っていくと満足度が高い。“Bike to Coffee” “Coffee Outside” “コーヒーライド” とか一般的にはコーヒーを楽しんでるイメージが強いけど、自分はどちらかというと紅茶派で、張り切っちゃう時はポットを持ち出すこともあるけど、基本的にはコンパクトかつファストに楽しむ方が良い。あとは、お気に入りのパン屋さんなんかに寄って行けば最高の時間が過ごせる。

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という事で「東京」にフォーカスして書いてきた。ただこの「東京」というのは冒頭で繰り返したように概念に過ぎなくて、自分が棲む場所であれば、それぞれに当てはまると思う。同じような感覚の持ち主にきっかけを与えられたり、既に開眼してる人、より先を行く人に共感を持って貰えれでもすれば幸い。あわよくば「自転車楽しそう」と沼にお呼びできたりもしないだろうか?

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更に、世相を省みて物理的に鬱屈としている人のほんの暇つぶし、気晴らし、収束後の展望になったらこの上ない喜び。相も変わらずな駄文に最後までお付き合い頂き感謝の限りで、読んで頂いた方においては何卒ご自愛のほど…