破落戸雑記

無銘の破落戸が綴る雑記

”東京”を廻る

春恒例、年一更新…

少なくともそれくらいの頻度で更新はしておこうとその内容についてあれやこれやと巡りつつ、先日の呟きから。

 

 

2018年の旅の記録(リンク)でも書き残していたけど「旅をする、冒険をする」という事において、「外」に繰り出す前に自分の足元すらロクに踏み固められていないなと感じることがしばしば。それは「自宅から半径1km圏内、いつも使う道の隣の路地」程度の狭さから、規模を広げれば「国内・国外」とも言える。その中間、自分の力だけで完結させられる「東京か、否か」に一旦落し所を見つけてようやっと今回のタイトル「”東京”を廻る」へと行き着く。読みは「マワル」というより「ミル」の方が感覚的に近い、とだけ。 

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まずは自分が生息する立地の整理から。雑にいくと「市部・東端」この絶妙な位置関係への移住が何より自転車を本格的に始めるキッカケであり、それまで住んでいた23区西端と比べて片道約10~15km、西側へのアプローチのハードルが下がるという気付きを得る。(逆に都心方面に間延びしているかと言えば主要幹線へのアクセスが良く、時間距離で考えると同程度という不思議) さて、大層な事を言ってるけど、とどのつまり「東京はいいゾ」っていう溜まりに溜まったライドの報告大会。

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自転車と河川敷の親和性は言わずもがな高く、どのライドでもなるべく河川敷沿いを軸にルートを組むようにしている。その中でも多摩川CRは我らがホームコースと言っても過言ではなく、一本目は、その終点である羽村取水堰の少し先”根がらみ前水田”にチューリップを見に行った時のもの。

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Twitter上でとあるフォロワーさんの投稿で知り、その週末には出かけるという自分の中ではかなり「フッ軽」な部類。時期としては、4月中旬で前回の記事にあるカスタム後で初の遠出となる。気温は個人的には「もう暑い」レベル。(後述の夏のライドに比べると可愛く感じる…)とはいえ世間的にはアクティビティ日和、休日の河川敷は活気があり、更には関戸橋・京王閣フリマが被るサイクリストも心なしか多い多摩川CR。そんなコースを軽快に遡上し、到着。大まかに関東平野の終点、もちろんこれといった”登り”はなし。山地の先端が多摩川を挟んで小高い山をつくり景色は上々。

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肝心のチューリップも満足の見ごたえ。純粋にチューリップを撮りに行きたいし、一部水が張ってあるのを活かして山並み辺りのリフレクションを狙うのも良さげ。自転車を押し歩く分外周を回るだけに留めたけど、内側に入って花に囲まれながら歩くのも楽しいだろうな~ 

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ところで、次のライドの話題に移る前にライド単体の所感を。フロントバッグには食料、おやつ、カメラ… サドル下にはジェットボイルとナルゲンボトル1Lを風呂敷で括った「重装備」での走行。これが思いの外、吉と出たのが驚き。というのも、比較的ガッチリ固めな(だと思ってる)味付けのFeatherが荷物の重さに影響されてしっとりとした乗り味に。もちろん初速の反応は鈍重、がチマチマ速度を上げ心地のいい回転まで持ち込み、後は固定ギアってのを活かして、回ってきたペダルに体重を乗せる。重い車体の慣性と相まって、その感覚は”自動運転”… というのは言い過ぎか。もちろん平地巡航に限っての話だけど、同じ河川敷沿いを走っていてもコレほどのシンクロ率になったのはこの一度きり。

 

二本目は趣旨からかなり外れるライド。ホームコースたる多摩川CR、正式名称「たまリバー50キロ(全長53km)」を一往復したら面白いんじゃね?総計100km超のライドとはどんなもんか、というなんとも短絡的なもの。それを8月上旬に…

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結論からいくと、とりあえず二回目は無い。早朝の涼しい時間帯に新規開拓の下流域を走ってる時は良かったのだけど、二子橋前後の未舗装区間で調子に乗ってグラベルをエンジョイしたのが早々に手首周りにダメージとなって戻ってきたり、沿岸の植物が熱風と湿度のせいで噎せ返るような匂いを放ってたり。とはいえ、最大の原因は補給に掛かるコストが高くて勿体無いってこと。水・ポカリ・塩タブだけで、美味しい外食が一食賄えるレベル。走ること自体は好きだけど、少なからずその途上や目的地に、景色や美味しい物、アクティビティを求めてるんだというのが実感できて、それは良かった。

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ちょうど、この文章を書いてるリアルタイムにTwitter上で「”ロングライド”と”自転車旅”は似て非なるもの」という話題が上がっていて腑に落ちる。自分はそれでいくと後者。次のライドでその片鱗を見る事が出来るけど、ただのライドじゃ満足しなくなっていく。

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そして、先の台風の影響で全線をシームレスにつなぐことが難しくなっているのも注意。上流域では、大小の迂回が三箇所程度。天災と言うものが直接的かつ長期に渡って影響していることを強く実感する。例えば日野橋みたいに進行形で作業が進められている場所もあり一日も早い復旧が望まれるけど、次シーズンの天候が前年比で悪化しないという確証は無い訳で、自然との継続かつ循環的な付き合い方とはどんなもんだろうか… とか、ライドの途中に取り留めの無い考えを巡らせたりしている。

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三本目は時期が一気に飛んで、つい先日の話。どんなライドをしようか、距離を絞って荷物詰め込んでデイキャン的なニュアンスもありかな~とか色々悩んだ末ふと2年ほど前に行った道の駅で食べたジェラートを思い出し、じゃあそこ行くかという感じ。

 

 

距離的には予想以上に近くて驚き。じゃあ少し遠回りもしようとなってルートを組んでいく。しかも、走るだけじゃ面白くないなと思い始める。では、順を追って… 多摩川CRを右岸側に渡って浅川に。桜も程よい感じに咲いていて、もう少し立ち止まればと後悔。途中道を見失って、川沿いを”担ぎ”でフラフラした末、用水路で踝高まで水に浸かるなど無駄にアドベンチャーな回り道をするなど。

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多摩川CR比で考えると走り辛さはあるものの、楽に流す分には十分に選択肢に入るなという印象。八王子方面にルートを開拓できたのも今後のライドに活きる。そして、南浅川へと分岐して途中から甲州街道を数キロ走って高尾山口。時短かつ未知数な試みのためリフトでワープし一号路で楽々登頂。青空にそびえる富士山を拝むことが出来て良かった。こんな感じの「Bike to Hike」もありだなと思い始める。ただし本気で実行するなら、ライドとハイク、どちらに装備のリソースを割くか、総合的なルートの詰め方とか色々課題はある。実際、今回もウエアはギリギリそれっぽいとして、スニーカー履きに適当な荷物をサコッシュに放り込んだだけの限りなく”山舐めてる人”寄りだったし。

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その後はサクッと下山。ちなみに、リフトは自分で乗っておきながら安全バーとかも無いし「かなり無理」だった。あと、途中で記念撮影されるのとかお独り野郎様にはキツいものがあるよ(笑) 次からは乗るとしたらケーブルカーにする、値段変わらないし。

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移動して、前から気になってた極楽湯に。何種類かあるんだけど、露天の一番景色が良い湯船がぬる湯ってのが最高。正直一日中入ってられる。駅直結で朝も8時から開いてる(大抵午後始まりよね)し、平日の朝イチなんかにボーッと特急乗って温泉入りに行くだけ、なんてのも贅沢だろうなーとか。

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脱線から戻って… 次のスポットは道の駅 八王子滝山、個人的には建物内のジェラート店とお惣菜屋さんを楽しみに。しかし、ジェラート店は定休… ガン萎えながらも、リベンジの余地が残ったのでまた来れる。お惣菜屋さんでは無事昼食を調達できた。バランス悪いな。まあ、そんなもんよね。お土産に地産メインでチョイスして野菜を調達。

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休憩も済ませ帰路に。谷地川を下り戻ろうとするも、走り辛さに離脱。16号経由でサクッと多摩川に合流し帰宅。次、道の駅メインに走りに来る時もこのルートが無難だなと覚書。ちなみに持ち帰ったお野菜は早速美味しく頂いた。

 

 

最後は、ライドというよりポタリングのニュアンス。そういう気分の時は、野川沿いをフラついてる。ちょうどこれからの時期は菜の花と桜を楽しむことができるし、その後の季節は緑を存分に浴びられる。

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野川公園、武蔵野公園辺りで留まって公園内の広場まで行くのもよし、川沿いに下りるもよし… そして、そんなポタリングには軽くお茶する道具を持っていくと満足度が高い。“Bike to Coffee” “Coffee Outside” “コーヒーライド” とか一般的にはコーヒーを楽しんでるイメージが強いけど、自分はどちらかというと紅茶派で、張り切っちゃう時はポットを持ち出すこともあるけど、基本的にはコンパクトかつファストに楽しむ方が良い。あとは、お気に入りのパン屋さんなんかに寄って行けば最高の時間が過ごせる。

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という事で「東京」にフォーカスして書いてきた。ただこの「東京」というのは冒頭で繰り返したように概念に過ぎなくて、自分が棲む場所であれば、それぞれに当てはまると思う。同じような感覚の持ち主にきっかけを与えられたり、既に開眼してる人、より先を行く人に共感を持って貰えれでもすれば幸い。あわよくば「自転車楽しそう」と沼にお呼びできたりもしないだろうか?

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更に、世相を省みて物理的に鬱屈としている人のほんの暇つぶし、気晴らし、収束後の展望になったらこの上ない喜び。相も変わらずな駄文に最後までお付き合い頂き感謝の限りで、読んで頂いた方においては何卒ご自愛のほど…